起業する方へ

 法人事業にせよ個人事業にせよ、起業するということは言うなれば大海原へ自ら舵を取り航行するようなもの。それ故に生じる不安があることと思います。ここでは、これらの事業を進めていく上でやっておくべきこと又はやらなければならないことをご案内しております。

法人事業の方へ

 法人には青色申告と白色申告の2つがありますが、ほとんどの法人が青色申告を選んでいます。なぜかというと、青色申告の方が節税効果をより多く受けられるからです。もちろん、節税によるメリットが大きい分、会計処理の正確性が求められることになります。裏を返すと、正しく記帳しなければ、青色申告の特典が取り消される事由になりかねませんので注意が必要です。

 私の事務所としましては、顧問契約を結ばせていただいた際にはすぐに青色申告の申請を行います。初年度はどうしても利益を出すのが難しいと思います。そんな時、青色申告にしていれば、たとえ初年度が赤字であったとしても、翌年以降に赤字を繰り越すことができます。そうすれば、翌年以降で黒字になった場合には、初年度の赤字と相殺でき節税を図ることができます。

 その他、税理士でなければわからないような節税策を提案していきたいと思います。


個人事業の方へ

 個人の方にも法人同様で青色申告と白色申告があります。青色申告の申請をすると、最低でも10万円を所得から控除(差し引くこと)ができます。

 ただ、次の条件を満たせば10万円の控除が65万円となるためかなりの節税を図ることができます。その条件とは、

①複式簿記にて記帳を行うこと

②損益計算書に加えて貸借対照表を作成すること

③発生主義により記帳すること

です。ここまでの条件を満たすためには、ある程度の会計知識を要するため、法人ほどではありませんが個人の方も税理士にお願いしているケースがあるようです。

 私の事務所では、法人と同様で顧問契約を結ばせていただいた際にはすぐに青色申告の申請を行います。初年度に赤字だった場合にも、翌年以降の所得と相殺できるため節税になります。これ以外にも、節税策を提案できるよう努めていきたいと思います。





共通事項(融資)

 事業をこれから開始する方にとって頭を悩ますことといえば運転資金の捻出です。自己資金だけで開始できる方は特に問題ないのですが、そうはいかない方の方が多いと思います。仮に自己資金だけでなんとか開始したとしても、軌道に乗るまでは様々な支払いの捻出で苦労すると思います。

 そんな時に活用すべきなのが金融機関からの借入れ(融資を受けること)です。金融機関からお金を借りることで日々の経営に余裕が生まれます。そうなると、経営を改善すべく次の一手が打ちやすくなり積極性をもたらすことになります。しかも、事業のための借入れなので、毎月の返済に係る利息は必要経費にできます。ただし、毎月の返済の元金部分は借りた分の返済であり、負債が減ったにすぎないため必要経費にはなりませんのでご注意ください。

 ただ、事業のためとはいえ借金を背負うことになるため、借入れ自体に消極的な方もいると思います。借入れには「良い借入れ」と「悪い借入れ」があります。「良い借入れ」とは、明確な目的(今回でいえば経営に活気をもたらすこと)をもって借りることです。そして、使途(使い道)がはっきりしているものでなければなりません。一方、「悪い借入れ」とはこれとは逆のことであり、発展の見込みのない借入れと言えます。くれぐれも「目的」と「使途」をはっきりさせた上で、実りある借入れをしてください。

 私の事務所では、こちらのご相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡をしていただければと思います。


共通事項(労務)

 法人にせよ個人にせよ、事業を開始すると様々な手続きが必要になってきます。特に従業員を雇うことになった場合には、社会保険と労働保険の加入を念頭に置かなければなりません。

 社会保険は、健康保険・介護保険・厚生年金の3つから構成されています。法人であれば役員1名でも加入する必要がありますが、個人の場合は常時5人以上の従業員(パートタイマーを含む)がいる場合は、一定の業種に限り加入する必要があります。

 労働保険は、労災保険と雇用保険から構成されています。労災保険は全額会社負担となり従業員を1名でも雇う場合には加入する必要があります。一方、雇用保険については、1週間の労働時間が20時間以上で、かつ、31日以上の雇用が継続する場合に加入する必要が生じます。負担は会社と従業員でそれぞれ一定の割合で負担します。

 これら以外の手続きもございますので、不安な方は一度ご連絡をいただけたらと思います。