資産形成に興味がある方へ

 今、私たちは先行き不透明な時代を生きていると言えます。特に、新型コロナウイルスの影響で私たちの生活環境は一変してしまいました。収入の激減によりお金との付き合い方がより一層重要になってきました。一方、労働で得られる収入には限界があります。では、このような環境下において行うべき対策には何があるのか。ここでは、私なりの対策方法をご案内したいと思います。

ステップ1 支出の見直し

 財産を築けない原因は収入が少ないからだと思っていませんか?これは半分正解で半分誤りです。ここで例を挙げたいと思います。収入が月30万円の人(Aさん)と月40万円の人(Bさん)がいます。この2人は収入だけ見るとBさんの方が10万円多いです。一見するとBさんの方がお金が多く残りそうに思います。しかし、Aさんは月の支出が15万円であるのに対し、Bさんは月30万円であったとします。そうすると2人のお金の残高はいくらになるでしょうか?Aさんは30万円-15万円で15万円に対し、Bさんは40万円ー30万円で10万円ということになります。この状態が毎月続くようであれば資産形成に向いているのはAさんということになります。ここで何が言いたいというと、収入以上に支出の管理が重要であるということです。

 ここで質問ですが、収入を増やすことと支出を減らすことではどちらが達成しやすいと思いますか?間違いなく「支出を減らす」ことでしょう。一方で収入を増やそうとすることは現実として中々難しいと思います。

 仮に、今勤めている職場で月5万円増やそうと思ったら、基本給を上げてもらうか、残業をしなければなりません。今後会社はITを駆使するなどして業務の効率化を図るため、残業をして多くのお金を稼ぐことはより一層難しくなるでしょう。その一方で、支出を抑えることは意外とできるはずです。

 例えば、今住んでいるアパートより安いところに住み替える、電話料金を格安SIMに変更するなどしてお金が少しでも残るようにすることはできるはずです。


ステップ2 生命保険の見直し

 世界的に見て「日本人は保険好き」と揶揄されるほど、私たち日本人は生命保険に加入しています。加入の理由は様々ですが、よくあるのが「成人したから」「結婚したから」「子供ができたから」ではないでしょうか?

 これらの理由で生命保険に加入すること自体は正しい選択と言えます。ですが、先の見えない未来に対して加入したはずの生命保険のせいで、今の生活が苦しくなってしまうのは本末転倒です。その主な原因は、多くの方が生命保険に入りすぎていることが挙げられます。保険の営業マンに勧められるがままに生命保険に加入していませんか?

 生命保険の商品は大きく分けて2つに分類することができます。それは「保障型」と「貯蓄型」です。多くの方はこれらをセットで加入しているケースが多い傾向にあります。一見すると1つにまとまっていて管理がしやすいと思うかもしれませんが、この加入の仕方は私としてはお勧めしません。

 生命保険は本来は万が一のために威力を発揮する商品であり、それ以外(医療保険など)はほぼ不要であると思います。日本には「高額療養費制度」という素晴らしいものが用意されています。この制度は簡単に言うと、その年度の所得に応じて支払う限度額が設定されており、限度額を超えた部分については国が保障してくれるというものです。このことを理解していれば、自ずと生命保険に掛けるべき金額は少なくなるはずです。


ステップ3 投資をしよう

 ステップ1とステップ2で大小はあれどお金の捻出はできたことと思います。では、このお金をどうしていきましょうか?定期預金や定期積金に充てますか?今ではネット系の預金もあるため、店舗系の銀行に預けるよりも高い利息が期待できます。しかし、それでも資産形成には程遠い金額の利息しか受け取れません。

 では、どうするのか?そう、投資です。投資と聞くと、株を想像される方が多いかと思います。私自身も最初は株を想像し、ハイリスクハイリターンの近寄りがたい世界を想像していました。暗い部屋でパソコン数台に囲まれながら黙々と・・・。私がこれから紹介するのはこのようなデイトレードではなく投資信託です。

 投資信託とは、簡単に言うと日本国内や世界の株式や債券を少しずつ詰め合わせたパッケージ商品といったところでしょうか。これの良い所は、お手頃な金額で毎月コツコツ始められる点です。投資を行う上で大事な要素は、「長期」「積立て」「分散」です。

 これらの要素を初心者の方に向けて開発されたのが積立NISAです。これについては『老後のに不安のある方へ』に説明させていただいておりますので、ご参照ください。

 投資をすると経済に興味が湧いてきます。今まで通り過ぎていた情報にも目が行くようになるはずです。